カルシウムサプリで、骨粗しょう症の予防効果が期待できないなんて!?

サプリ 健康

「骨を強くしたい」とか「骨粗しょう症の予防したい」と思い、カルシウムのサプリメントを摂取している人は多いのではないでしょうか?

でも、カルシウムサプリは骨粗しょう症の予防効果が無いどころか、骨粗しょう症を加速させたり、死亡率を上げてしまうことがわかってきました。

カルシウムは、お菓子や健康食品にも添加されていることが多い成分です。気をつけていきましょう。

カルシウムとは

人体に最も多く含まれるミネラルであり、骨や歯の構成物質です。

成人の体内にやく1kg含まれていて、そのほとんどがリン酸カルシウムとして骨及び歯のエナメル質に含まれています。
その他、ごく一部カルシウムイオンとして血液や筋肉、神経内にあります。

カルシウムの働き

カルシウムは、骨や歯の材料になる以外に、
細胞内:細胞外で一定の割合で存在していることでホルモンや神経伝達物質などがきちんと分泌されたり・筋肉が動かす反応に影響を与えています。

  • 骨や歯の材料になる
  • イライラやストレスなどを静め、神経を安定させる
  • 筋肉の収縮に不可欠
  • 体内のイオンバランスを正常に保つ
  • 血液凝固作用の促進
  • 心筋の機能を正常に保つ
  • 細胞の増殖・分化、細胞形態の維持

カルシウムは、とても大切なミネラルであり、骨粗しょう症の他にも、心疾患、動脈硬化、認知障害、免疫異常、糖尿病などさまざまな疾患が起こる可能性が指摘されています。

なぜ、カルシウムをサプリで摂ったらダメなの?

なぜなら、
サプリでカルシウムを摂るのはリスクが大き過ぎるから

カルシウムを過剰に摂取することで、以前から結石や前立腺がんなどのリスクが高くなることが広く知られている。
また近年の調査・研究で以下のような健康被害の報告がされている。

  1. 骨粗しょう症の予防にならない
  2. 心臓に悪い
  3. 脳卒中のリスクが上がる
  4. 死亡率が上がる

1.骨粗しょう症の予防にならない

2012年の全国健康栄養調査では、1日の摂取量より多くカルシウムを摂っても骨密度には全く影響が出なかった。

しかも、カルシウムのサプリを飲むと足の骨折が増えることが報告されている。

カルシウムをとって、骨がもろくなるとは…、
いぬ
いぬ

他にも、2012年の大規模な研究で報告されたのは…、

2.心臓発作のリスクを140%も悪化させたり、

3.脳卒中のリスクが20%上がったり、

4.結果として、全体の死亡率まで 9%上がったなど…、

これはサプリメントでカルシウムを摂ると、一度にたくさんのカルシウムが入ってくるので処理できなかったカルシウムが血管に付いて石灰化してしまうからだと考えられている。

カルシウムを摂るなら食品から!!

サプリでとることはリスクが大きいが、その逆は食品から摂取することですね。

日本人が普通に食事から摂取する場合は上限量を超えることはほとんどないと言われています。
しかも、食品からなら一度に摂りすぎることがないのも安心です。

ねこ
ねこ
カルシウムを摂るなら食品から摂るようにしたいね。

カルシウムを多く含む食品(大まかな含有量)

野菜など 小松菜 80g 1/3束 (136mg)
モロヘイヤ 50g 1/2袋 (130mg)
いりごま 10g 大さじ1強 (120mg)
青梗菜 80g 1束 (80mg)
切り干し大根 15g 煮物1食分 (75mg)
魚介類 ワカサギ 70g 4尾 (315mg)
干しエビ 3g 大さじ1/2 (213mg)
いわしの油漬け缶詰 50g (130mg)
鯖の水煮缶 50g 1/2缶 (175mg)
ひじき 10g 煮物1食分 (140mg)
大豆食品 納豆 50g 1パック (45mg)
厚揚げ 100g 1/2枚 (240mg)
木綿豆腐 150g 1/2丁 (180mg)
乳製品 牛乳 210g 1カップ (231mg)
ゴーダチーズ 20g (135mg)
ヨーグルト 100g 1/2カップ (120mg)

カルシウムの1日推奨量(2020年に発表されている食事摂取基準より)

18~29歳男性 800mg
30~74歳男性 750mg
75歳以上男性 700mg
18~74歳女性 650mg
75歳以上女性 600mg

おすすめメニュー

今回カルシウムを勉強してわかったことは、気をつけないと不足してしまう成分だということです。食事から摂りたい私が考えたメニューをおすすめメニューとして紹介します。(アラフィフ女性です。)

一般的おすすめメニュー(1日のカルシウム658mg)

  • 朝食(カルシウム162mg)
    雑穀ご飯、納豆、生卵、味噌汁(油揚げ・小松菜)
  • 昼食(カルシウム159mg)
    シラスと青じそのスパゲッティ、野菜サラダ
  • おやつ(カルシウム143mg)
    オイコス、冷凍ブルーベリー
  • 夕食(カルシウム194mg)
    雑穀ご飯、中華炒め(豚肉・たけのこ、青梗菜、キクラゲ)、ニラ玉、味噌汁(豆腐・わかめ)

朝食抜きおすすめメニュー(1日のカルシウム:1054mg)

  • 朝食
    ブラックコーヒー
  • 昼食(カルシウム149mg)
    鶏ハム、野菜サラダ大盛り
  • おやつ(カルシウム256mg)
    ココア(牛乳・純ココア・ステビア)、ミックスナッツ
  • 夕食(カルシウム649mg)
    野菜サラダ大盛り、オイルサーディン+オニオンスライス、ハッシュドポテト、チーズ

それでも、不足しがちな人はカルシウムサプリを利用しよう

思ったよりも、推奨量を摂るのは大変そうだと思った人も多いのではないかと思います。また、乳製品にアレルギーを持っていたり、どうしても食事から摂れない人もいると思います。そんな人は、気をつけながらサプリメントを利用する事を考えても良いと思います。

カルシウムサプリメントの形態

形態 メリット デメリット
炭酸カルシウム 安価
体積が小さい
カプセルや錠剤が少なくて済む
胃酸が十分でない人は吸収が悪くなりがち
吸収率を高める為、食事と一緒に摂取
クエン酸カルシウム
グルコン酸カルシウム
ほか、有機酸結合カルシウム
吸収率が最も高い 体積が大きい
カプセルや錠剤が多くなる
リン酸カルシウム 便秘になりにくい 他のミネラルの吸収を阻害する可能性がある

カルシウムと一緒に摂りたい栄養素3つ

ビタミンD

ビタミンDと一緒にカルシウムを摂ると骨量減少や骨粗しょう症を予防する効果が大幅に高まります。
ビタミンDの働きは、
・カルシウムの吸収率をあげる。
・足りない時に骨からカルシウムを血中に出す。
注意)血中のカルシウムを骨に戻すのは苦手。⇨血管にカルシウムがたまって、石灰化する可能性が上がる。

ビタミンK

ビタミンDとセットで血中のカルシウムレベルを一定に保つ。
ビタミンKの働きは、
・血中から骨に戻す。
・カルシウムを骨に定着させる。
・石灰化を抑える。

マグネシウム

マグネシウムとカルシウムは一定の割合でいることがとても重要だと言われています。
マグネシウムの働きは、
・骨や歯を作る
・神経の興奮を抑える。

まとめ

  • カルシウムとは人体に最も多く含まれるミネラルであり骨や歯の構成物質
    ・カルシウムのいろいろな働き
  • なぜ、カルシウムをサプリで摂ったらダメなの?
    ・サプリで摂るのはリスクが大き過ぎる
  • カルシウムを摂るなら食品から!!
    ・カルシウムを多く含む食品と1日推奨量
    ・おすすめメニュー
  • それでも、不足しがちな人はカルシウムサプリを利用しよう
    ・サプリメントの形態と一緒に摂りたい栄養素
  • まとめ

少なくても多くても問題のあるカルシウムです。できるだけ食事から摂るように気を付けて、不足分をサプリメントで補うように心がけましょう。

また、カルシウムサプリを効果的に使うため補完し合う栄養素にも気をつけましょう。