アシュタンガヨガの八支則とマントラは心も身体もリセットしてくれます

ヨガ 健康

アシュタンガヨガと言えば、ヨガ経典「八支則」(はっしそく)。
人間のあるべき姿を、八支則は心と体の両面から気づきを与え、変化させていくヨガです。

運動量も多いため、習練を効果的にアップさせるルールや、決まったポーズを行っていきます。
今回は、インドで脈々と伝統を受け継がれてきたアシュタンガヨガの八支則、得られる効果、そして、知っておくと必ず役立つマントラについても、解説していきます。

最後に、あなたへ素敵な曲のプレゼントもあります!お楽しみに!

アシュタンガヨガとは

1948年、現代ヨガの創始者と言われるT・クリシュナマチャリア師の教えを基に、弟子のシュリ・K・パタビジョイス氏がアレンジを加えて完成させたヨガの流派の一つです。

サンスクリット語で、「アシュタンガ」とは、「八支則」と言う意味で、ヨガのポーズの名前ではなく、思想や礼儀のことです。

ヨガの経典「ヨガ・スートラ」には、この八支則を基に、「サマーディ=至福の状態」へ導かれるよう修練し、実践し続ける事を目的としています。

アシュタンガヨガ主な効果4つ

集中力アップ

成功者が好んで行なっている瞑想。
ビル・ゲイツスティーブ・ジョブズイチローも瞑想の時間を大切にしていましたね。
瞑想から高い集中力を得ることが、成功にも繋がっていたと思われます。
しかし、
じっと座って瞑想をするのが難しい、「余計に考えてしまって無になれない」という人には、この「動く瞑想」と言われるアシュタンガヨガは特におすすめです。

ホルモンバランスが整う

ホルモンバランスの乱れによる不調は、現代社会において、様々な避けきれない要因があると思いませんか?
男女問わず、ストレスや睡眠不足、運動不足、偏った食生活で、どの年代でも不調を訴える人が大勢います。

アシュタンガヨガは、心身の両面からアプローチすることにより、ホルモンバランスを整え、生活の質を高める事ができます。

筋力アップ

普段見慣れている(やり慣れている)ヨガとは、ちょっと違うアシュタンガヨガ。
どう見ても運動量が多いし、途切れることなく変わり続けるポーズに加え呼吸法もかなり意識して実践していくため、筋力がつきます。

決まったポーズを繰り返し行うので、分かりやすく、有酸素運動にもなるので、しなやかな体の細マッチョを目指す男性にも、ニーズのあるおススメヨガです。

代謝アップ

ダイエットにはもちろんですが、「代謝」は体を維持するのにとても大切です。
基礎代謝をあげ、体温を上げることで、太りにくい体が作られますし、
ダメージを受けた細胞が、正常な細胞に入れ替わるサイクルが早くなるので、病気の予防にも効果があります。

アシュタンガ(八支則)とは

ヨガは、自分のフィジカル(肉体的・身体的)とメンタル両方のコンディションを、確認できますよね。

八支則は、自分中心であったり、価値観の固定によって行き詰まってしまった場合に、心身のリセットを助けてくれる理想的な思想や考え方です。
1~8支則までを、簡単に解説しますので、
あなたの日常に、是非取り入れてみてくださいね。

1.ヤマ(禁戒)

ヤマとは、日常生活でしてはいけないことをまとめた5つの心得のことです。
思想や言動について、非暴力や不盗、禁欲などに基づき決められています。
アヒンサー(非暴力、非殺生)
苦痛を引き起こさないことを語源とし誰に対しても怒りを抱かないことや、行動や言葉などで他者に暴力を振るわないこと。
サティヤ(嘘をつかないこと)
自分を守るために嘘は就かない。そのために、日頃から言動や思考を一致させておくこと。
アスティヤ(不盗)
他人の物や時間、信頼などを奪ってはいけない。執着心を手放し、自己中心的な行動はやめること。
ブラフマチャリ(禁欲)
ついつい利己的になりやすい「欲」を満たすことは避け、生命エネルギーを必要なところに集中させること。
アパリグラハ(不貪)
物事へ執着せず、欲望を捨てること。

2.ニヤマ(勧戒)

ニヤマとは、日常生活でするべきことです。
心を整える、敬意を払うなど、人として心得ておきたいことも含まれています。

シャウチャ(清浄)

心身を清らかな状態に保つこと。ネガティブな思考を避けること。

サントーシャ(満足、知足)

今ある環境や能力、健康などに満足すること。当たり前にあるものに、有難さを忘れないこと。

タパス(苦行、自制)

苦しい状況も成長の糧にして受け入れ、取り組むこと。

スヴァディアーヤ(読誦・学習、向上心)

心を良い方向へ導いてくれる本を読むこと。

イーシュヴァラ・プラニダーラ(信仰)

感謝や尊敬の気持ちを忘れず、自然や時代の変化などに身を任せること。

3.アーサナ(座法)

アーサナは、瞑想を深めるための道具や姿勢の「アース」を語源とし、長時間の瞑想に耐えられるように様々なポーズを実践して、体を鍛錬します。他者と比べることなく、自分の心身に集中することで、身体能力の向上や心を整えます。

4.プラナヤマ(呼吸法・調気法)

プラナヤマは、瞑想を深めるために呼吸を整えること。落ち着いて呼吸を行うことで、心身をリラックスさせ、脳に酸素を送ることも目的としています。

5.プラティヤハーラ(感覚の制御)

プラティヤハーラは、自分の外側に向いている五感を内側に向けて、内的感覚をたかめて瞑想の境地に達すること。冷静に自分を客観視することで、日々の出来事にもぶれない精神が作られます。

6.ダーラナ(集中)

だーらなは、集中力を高めて、長時間とどめておくこと。心の集中が高まるほど、そこに向かうパワーも大きくなります。

7.ディアナ(瞑想)

ディアナは、サンスクリット語で瞑想を意味し、雑念から開放され、感覚の制御と集中が意識せずに集まる状態のこと。

8.サマーディ(悟り)

ヨガの最終目標であるサマーディは、煩悩からの開放や、悟りの事。長時間の瞑想が出来る様になると、サマーディの状態になります。

アシュタンガヨガの基本ルール6つ

アシュタンガヨガを始める前に、守らなければならない大切な6つのルールを紹介します。

  1. 練習中には水を飲まない
  2. 練習前にシャワーで身を清める
  3. アーサナは、順番通りに行う
  4. 満月、新月には練習を行わない
  5. 月経1~3日は練習をしない
紹介した6つは、実はごく一部です。
指導者によって異なるケースもあります。

アシュタンガヨガのやり方

免疫力が上がる、アシュタンガヨガの入門編

ハーフプライマリーすべてが分かる動画

太陽礼拝AとBのやり方

「太陽礼拝」は、朝活の前はもちろん、夜のリラックスタイムに行ったり、毎日の習慣にしたり、自分のコンディションを知るために、とても有効です。

アシュタンガヨガのプライマリー全てができなくても、太陽礼拝だけを行っている人は、とても多いですよね。
是非、あなたのライフスタイルに合わせて、取り入れてみてくださいね!

〈太陽礼拝A〉

〈太陽礼拝B〉

レッスンの中で唱えるシャンティって?

「シャンティー、シャンティー、シャンティー」
・・・いい響きだと思いませんか?

実はこの「シャンティー」
ヨガ教室の名前になっていたり、インストラクターが始めや終わりに唱えているのを聞いたことがある人も多いと思いますが、

シャンティとは、サンスクリット語で「心の平安・平和・休息・至福」の意味です。
いろいろな説がありますが、すべてのヨガ、アーサナを行うのに、共通する想いですよね。
シャンティは、3回唱えます。
1回目は、自分自身
2回目は、自分を取り巻く環境や人々
3回目は、世界の全ての環境や人々

それぞれに、平安と平和、幸せがありますようにと、願い、感謝をするということです。

アシュタンガヨガでは、その指導者の方針によって、マントラの詠唱が行われます。
生徒さんからの希望があれば、唱える場合や、初めから全く唱えない方針の場合もあります。

クラスの前後で唱えるマントラ

アシュタングヨガの練習に入る前に唱えるインドの伝統的なマントラ
”チャンティング”とも呼ばれています。
これから始まる練習に、集中出来るように、唱えます。

意味は分からなくても、声に出して唱えると、不思議な心の安らぎが得られます。
練習前の集中力を高め、ケガの予防や、心のあり方や、リラックス効果もあるように感じると思います。

唱えやすい様に、カタカナだけの読みにしました。
動画に合わせて詠んだり、ヨガ教室へ行く前や、予備練習する時などに、活用してくださいね!

始まりのマントラ(チャンティング)

オーム
ヴァンデー グルーナム チャラナーラヴィンデー
サンダルシッタ スワートマ スカーヴァーボーデー
ニッシューレーヤセー ジャーンガリー カーヤマーネー
サムサーラー ハラハーラー モーハ シャンティエ
アーバーフ プルシャーカラン
シャンカ チャクラ アシ ダハーリナム
サハスラ シラサム シュウェータン
プラナマーミ パタンジャリム
オーム

〈日本語訳〉
至高のグルよ、その蓮の花の御足にひれ伏して祈ります。
グルは純粋な存在に目覚める喜びを教え、密林の薬草医のごとく、
輪廻転生による迷いという毒を消してくださいます。
アディセサ(白蛇アナンタ)の化身たるパタンジャリよ、。
千の輝く頭を持ち、手には分別の剣、火の輪、ほら貝を持つ、その御前に拝みます。

終わりのチャンティング

オーム
スワスティ プラジャービアハパリパーラヤンタン
ニャイエーナ マールゲーナ マヒン マヒーシャーハ
オーム シャーンティ シャーンティ シャーンティヒ

〈日本語訳〉
子どもたち、子孫の繁栄を導き、お守り下さい。
法と正義の道によって為政者はこの世をお治め下さい。
牛や僧侶らなどの聖なる者に永遠に徳がありますように。
世界の全てのものに幸福が訪れますように。

いかがですか?世界には、きっとたくさんの祈りがあると思いますが、
どんな祈りも、前向きな願いですよね。
どうせ願うなら、人の不幸せや復讐、憎しみではなく、「シャンティシャンティシャンティ」と、唱えたいですね。

素敵なマントラの歌を見つけました!
あなたに、私からとっておきのプレゼント!

意味を知っていると、心が癒されます、是非聴いてみて下さい。

まとめ

  • アシュタンガとは、「八支則」という意味
  • 主な効果は、集中力のアップ・ホルモンバランス正常化・筋力アップ・新陳代謝アップ
  • ヨガを始める前のルールは、効果を上げ、コンディションを守るためのもの
  • 八支則の説明
  • アシュタンガヨガのやり方動画
  • マントラの唱え方と、思想、訳

いかがでしたか?
アシュタンガヨガは、習練にはキツイイメージでしたか?古くから大切に受け継がれてきた、その根底にある思想には、人として生きる道筋のようにも捉えることができますね。
世界の全ての人に、幸せが訪れますように、平和がありますように。
シャンティシャンティシャンティ